2007 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンK依存性タンパク質の生合成機構とビタミンK代謝酵素の機能解析
Project/Area Number |
19790224
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
岩田 宏紀 Yamagata University, 医学部, 助教 (70361251)
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Keywords | タンパク質化学 / 酵素反応 / ビタミンK / 血液凝固因子 / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
1.研究を進める上で必要な各種タンパク質、酵素の発現系及び測定系などのシステムの構築を行った。 (1) ビタミンK依存(VKD)タンパク質であるプロテインZ(PZ)、血液凝固X因子(FX)並びにこれらの生合成に必要なビタミンKエポキシド還元酵素サブユニット1(VKORC1)及びビタミンK依存γ-カルボキシラーゼ(GCX)のcDNAを用い、ヒト胎児腎臓由来のHEK293細胞にて発現系を構築した。 (2) 上記タンパク質のcDNAを蛍光タンパク質発現ベクターに挿入し、HEK293細胞にて蛍光融合タンパク質発現系を構築し、生細胞内での目的分子の動態観察を可能にした。 (3) ビタミンKの酸化・還元状態をHPLCにて追跡する系を確立し、PZ及びFXはwestern blotによる検出系を確立した。 2.PZ遺伝子の発現調節の機構が未知であったため、転写調節機構の解析を行ない、その生合成メカニズムの一端を明らかにした。 (1) PZ遺伝子の転写調節領域についてレポーターアッセイを行い、プロモーター及びエンハンサー領域を決定した。 (2) 上記領域に作用する転写因子をゲルシフトアッセイにて調べた結果、プロモーター領域ではSP1及びHNF-4αが、エンハンサー領域ではSP1が作用することにより転写調節が行われていることを明らかにした。 3.PZの遺伝子発現や生合成機構を明らかにするためにPZ欠乏患者及び正常者の遺伝子解析を行い、PZ欠乏症へ寄与する遺伝子多型が存在することを明らかにした。 (1) 血中PZレベルが低値であった血栓症患者及び正常者の遺伝子解析を行ったところ、PZ欠乏患者群においてこれまで未知であった遺伝子多型を発見した。 (2) 上記多型を血中PZレベルと比較すると多型を有する症例ではPZレベルが有意に低値であり、PZ欠乏症を遺伝子検査により診断する上で有用である。
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Research Products
(2 results)