2007 Fiscal Year Annual Research Report
ATL細胞でのヒ素によるNF-κB活性抑制とsurvivin発現抑制の分子機序
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19790239
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
車 暁芳 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (10437973)
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Keywords | ATL / survivin / dimer |
Research Abstract |
成人T細胞白血病(Adult T cell Leukemia, ATL)は治療抵抗性が強いため予後がきわめて不良である。我々は、survivinの発現がATL、特に急性型ATLに高いことを観察し、ヒ素がATL細胞株のsurvivin発現レベルを低下させ、ATL細胞のアポトーシスを誘導することを見出した。 我々は、ATLにおけるsurvivinの高発現が抗がん剤耐性の一つの要因であると考え、survivinを標的とするATLの治療を目指している。Survivinはdimerを形成して働いていることから、我々はsurvivinのdimer領域のペプチドを設計した。このペプチドがsurvivinのdimer形成を阻害し、survivinの機能を失わせるかを調べた。survivinのdimer形成に関与する領域(89-103aa)のペプチドのN末端に膜透過キャリアー(TAT蛋白のProtein transduction domains, PTD)をつけて、FITCで標識したペプチドを作製した。20μM Survivin dimer領域のペプチド(FITC-PTD-sur)でATL細胞株SITとMT2を4時間処理し、PTD-surが確実に細胞に入ることを共焦点顕微鏡で確かめた。S1TとMT2細胞に対するPTD-surの毒性をMTT Assayで調べ、PTD-surは濃度と時間に依存してSlTとMT2細胞の増殖を抑制することを見出した。PTD-surで処理したATL細胞をAnnexin VとPIで染色し、FACSで解析し、アポトーシスが誘導されたことを確認した。現在、PTD-surはsurvivinと結合するか、survivinのdimer形成を阻害できるかを調べ、ATL細胞のアポトーシス誘導のメカニズムを明らかにしようとしている。これらの研究によりsurvivinを標的分子とした治療法の開発を目指している。
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