2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790241
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
片山 量平 Japanese Foundation For Cancer Research, 癌化学療法センター・基礎研究部, 研究員 (60435542)
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Keywords | がん幹細胞 / ABCトランスポーター / Side Population / 多剤耐性 |
Research Abstract |
我々の保有する種々の癌細胞株中に、SP細胞(癌幹細胞を濃縮することができると報告されている)が存在することを確認した。いくつかの細胞株より分けられたSP細胞は、がん幹細胞としての性質(自己複製能、高い造腫瘍性)を有することが確認され、さらに種々抗がん剤に耐性を示すことを明らかにした。このSP細胞中に発現する、抗がん剤排出に関わるトランスポーターを定量RT-PCR法により網羅的に解析した結果、細胞株間で共通した発現上昇を示すトランスポーターを2つと、細胞株により差のある発現変化を示すものを複数同定した。現在、共通した発現上昇を示すトランスポーターに対する抗体を作成中であり、このトランスポーターが新規癌幹細胞マーカーとなる可能性を探索している。 また、SP細胞で、共通して発現変化の見られる遺伝子を探索するために、4細胞株より分離したSP細胞よりmRNAを抽出し、マイクロアレイを用いて遺伝子発現解析を行った。その結果、共通して発現変化が見られる遺伝子を複数同定した。そのなかで、細胞膜上に発現するとされている遺伝子について、抗体を作成中であり、癌幹細胞を濃縮できるかどうかを検討していく予定である。また、その他の遺伝子についても、解析を進めている。 また、SP細胞もしくはnon SP細胞をマウスに移植し腫瘍を形成させ、抗がん剤での治療実験を行った結果、SP細胞由来の腫瘍の方が治療抵抗性を示した。現在、トランスポーター阻害剤と抗がん剤の併用による治療実験を行っている。
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