2008 Fiscal Year Annual Research Report
Griscelli症候群原因遺伝子Rab27Aの活性化制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
19790242
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 敬 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 助教 (50373270)
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Keywords | 色素細胞 / 色素小胞 / Rab27A / FLJ13130 / mFLJ00332 / リソソーム関連オルガネラ |
Research Abstract |
低分子量G蛋白質の不活性化はGAP(GTPase-activating potein)によるGTP加水分解の促進によって行なわれていると考えられているが、Rab27Aに関してはGAPが同定されていなかった。筆者は、色素細胞内でのRab27Aの不活性化がメラノソーム輸送を阻害することに着目し、ヒトゲノム上に存在するRab-GAP/TBC蛋白質の中から、Rab27AのGAP(EPI64)を同定することに成功した。EPI64はFLJ13130, mFLJ00332と共に、TBCタンパク質ファミリーの中の一つのサブファミリーに属する。そこで、更なる解析としてFLJ13130やmFLJ00332がどのような機能を持つかを解析した。 FLJ13130は、副腎髄質クロマフィン細胞由来のPC12細胞を用いた解析により、Rab3AというRab27Aに近縁のRabの不活性化に関与しているという結果を得ることが出来た。興味深いことに、EPI64にはRab3Aに対する酵素活性は検出することが出来ず、FLJ13130に特有の機能であることが明らかになった。 mFLJ00332は末梢血T細胞に豊富に発現しており、Rab35と共局在することを見いだした。実際、mFLJ00332がRab35にGAP活性を持つことを明らかにすることが出来た。また、mFLJ00332はRab3AやRab27AにはGAP活性を示さなかったため、mFLJ00332は特異性の高いGAPであることが分かった。解析によりRab35とmFLJ00332はT細胞においてリサイクリング経路を制御することで免疫シナプスの形成に寄与していることが明らかになった。 以上の結果はmFLJ00332がEPI64やFLJ13130とは異なる機能を果たしていることを示唆するものであった。
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Research Products
(3 results)