2007 Fiscal Year Annual Research Report
筋ジストロフィー症の発症に関わる糖鎖合成酵素の機能解析とその破綻
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19790244
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
萬谷 啓子 Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology, 東京都老人総合研究所, 研究員 (70415496)
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Keywords | 筋ジストロフィー / 0-マンノース型糖鎖 / POMT / α-ジストログリカン |
Research Abstract |
α-DGは糖鎖を介してラミニンなどの基底膜の分子に結合することで神経や筋組織を正常に保つ。α-DGの主要糖鎖であるΟ-マンノース型糖鎖の生合成を担う糖転移酵素POMT1,POMT2とPOMGnT1は先天性筋ジストロフィーの原因遺伝子産物である。この糖鎖は哺乳類では非常に珍しく,α-DG以外にこの糖鎖修飾を受ける蛋白質は見つけられていないことからΟ-マンノース型糖鎖はα-DGに特異的である可能性が示唆されている。しかし,WWS患者ではα-DGに対するΟ-マンノース転移活性が欠損しているものの,変異によって病状が異なることからα-DG以外の蛋白質へのPOMT1,POMT2の関与は否定できない。そこで本年度はPOMT1,POMT2の基質特異性を調べ,他の蛋白質への修飾の有無あるいはα-DGに特異的である意義を明らかにすることを試みた。Ο-マンノース型糖鎖が結合していると推測されるα-DGのムチン様ドメインの配列をもとに作製した様々なペプチドを用いてΟ-マンノース転移活性測定を行い,コンセンサス配列の有無を調べた。その結果,測定に用いたペプチドのうち2つのペプチドに高効率にマンノースが転移されていた。この2つの配列を比較すると保存された配列があり,特定のアミノ酸配列がΟ-マンノース型糖鎖修飾を受けることが明らかになった。また,質量分析により,特定のアミノ酸を起点として連鎖的にΟ-マンノース転移反応が進むことが明らかになった。現在,得られた配列を用いてデータベースより候補となる蛋白質の検索を行っている。
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Research Products
(2 results)