2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト人工染色体ベクターを用いた毛細血管拡張性運動失調症の新規遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
19790246
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
香月 康宏 Tottori University, 大学院・医学系研究科, 助教 (90403401)
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Keywords | ヒト人工染色体 / 遣伝子治療 / 染色体工学 / 毛細血管拡張性運動失調症 / ES細胞 / 再生医療 |
Research Abstract |
毛細血管拡張性運動失調症(Ataxia-Telangiectasia : AT)はヒト11番染色体上に存在するATM遺伝子の機能欠損により引き起こされる常染色体劣性の疾患であり、小脳失調に伴う神経変性免疫不全や発癌感受性、放射線感受性など多彩な表現型を示す。本研究の目的は1)ヒト人工染色体(HAC)ベクターにATM遺伝子全長をクローニングし治療用ATM-HACベクターを作製すること、2)自己幹細胞にATM-HACベクターを導入し、造血幹細胞へATM欠損マウス(自己)に移植し、AT患者の死亡原因のトップを占める造血系表現型を対象とした遺伝子治療を行うこと、である。 ATM-HACのAT欠損細胞への導入と解析 昨年度作製した、ATM-HACベクターを毛細血管拡張性運動失調症(AT)患者由来の細胞株(ATBIVA)へ微小核細胞融合法により導入したところ、薬剤耐性クロニシが約50クローン取得でき、そのうちの30クローンで導入したATM遺伝子発現がウェスタンブロット法により確認できた。さらに、そのうちの5クローンでFISH解析を行ったところ、全てのクローンATM-HACが独立に1コピー在することがら明らかとなった。このうちの3クローンを用いて放射線感受性試験を行ったところ、コントロールのATBIVAでは放射線感受性を示したのに対し、ATM-HACを導入したATBIVA細胞では放射線感受性が回復していることが明らかとなった。以上のことより、HACベクターに搭載したATMゲノム遺伝子は機能的であることが示唆された。今後は自己由来幹細胞にATM-HACベクターを導入し、遺伝子治療を目指す。
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Research Products
(4 results)