2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790255
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
全 陽 Kanazawa University, 医学部附属病院, 准教授 (90377416)
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Keywords | 肝細胞癌 / 膵癌 / 胆管癌 / 癌幹細胞 / 幹細胞 / 発癌 |
Research Abstract |
本年度は以下の3つの点に関して研究を行った。 1. 肝細胞癌とその前癌病変におけるABCG2の発現と意義:肝細胞癌とその前癌病変において、ABCG2の発現を検討すると、前癌病変では門脈域周囲の小型の異型細胞に発現があり、肝細胞癌では腫瘍内に散在性に陽性細胞が見られた。肝細胞癌の培養細胞を用いて、ABCG2陽性細胞と陰性細胞に分離培養すると、ABCG2陽性細胞からは陽性細胞と陰性細胞が産生されたが、ABCG2陰性細胞からは陽性細胞は産生されなかった。またこの分化過程において、AFP、アルブミン、CK19、c-kitなどの分子の発現は経時的に変化した。ABCG2陽性細胞は癌細胞のヒエラルキーの上位に位置していると考えられた。 2. 肝細胞癌と胆管癌におけるside population(SP)の同定:肝細胞癌と胆管癌の培養細胞株において、SPの同定を試みた。肝細胞癌株のHuH7とPLC5には5%以下の比率でSPを同定できた。一方、胆管癌細胞株にはSPは同定できなかった。SPとnon-SPを分離培養すると、SPからはSPとnon-SPが産生されたが、non-SPからはSPは産生されず、SPは癌幹細胞に類似した性格を有していることが明らかとなった。SPにおいてはTGF-betaの発現が亢進しており、硬化型肝細胞癌の線維化形成に、幹細胞から産生されるTGF-betaが関与していると考えられた。 3. 肝細胞癌、胆管癌、膵癌におけるCD133の発現:造血幹細胞のマーカーであるCD133は肝幹細胞と考えられているヘリング管や細胆管に発現があり、新たな肝幹細胞マーカーとなることが明らかとなった。肝細胞癌、胆管癌、膵癌にもCD133陽性細胞が存在しており、来年度はこれらの腫瘍に存在するCD133陽性細胞が癌幹細胞となるのか、その機能解析を行う。
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Research Products
(4 results)