2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790255
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
全 陽 Kanazawa University, 附属病院, 准教授 (90377416)
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Keywords | 肝細胞癌 / 胆管癌 / 膵癌 / CD133 / 癌幹細胞 / 幹細胞 |
Research Abstract |
本年度は肝胆膵領域におけるCD133発現について検討した。CD133は造血幹細胞のマーカーとして知られているが、固形腫瘍でもCDI33の発現があることが近年報告されている。特に陽性細胞は癌幹細胞となる可能性が指摘されている。我々はCD133の発現を非腫瘍性と腫瘍性の組織標本をもちいて検討した。非腫瘍性肝組織ではCD133は胆管、細胆管、ヘリング管に発現が見られた。それらの細胞はCDl33+/CK19+/Hepparl-の形質を有していた。肝細胞癌には少数のCD133陽性細胞がみられ、それらの細胞はCD133+/CK19-/Heppar1+の形質を有していた。また、興味深いことに胆管癌と膵癌はCDI33の発現がびまん性に認められた。混合型肝癌では、胆管癌成分にCDI33はびまん性に発現しており、それ以外にCD133+/CK19-/Heppar1+の細胞が少数認められた。これらのinvivoの検討から、CDI33は肝幹細胞と考えられている細胆管やヘリング管に発現があり、肝幹細胞のマーカーとなると考えられた。しかし、幹細胞だけでなく、分化しだ胆管や膵管上皮にもCD133はconstantに発現が見られた。 次に、肝細胆癌と胆管癌の細胞株から、CD133陽性細胞と陰性細胞にソーティングを行い、4週間まで分離培養した。CD133陽性細胞と陰性細胞は4週間の培養で、同じ細胞集団となった。つまり、CD133陰性細胞からもCDI33陽性細胞が産生されたと考えられる。各種分花マーカーの発現も、ソーティング直後には違いが見られたが、分離培養をつづけると、同じ発現プロファイルとなった。 in vivoとin vitroの結果を総合すると、CD133は肝胆膵領域では幹細胞以外に分化した胆管や膵管に発現があり、CD133のみを用いて癌幹細胞を同定することは困難と考えられた。
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Research Products
(4 results)