2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790258
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池田 純一郎 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (20379176)
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Keywords | 癌 / 悪性リンパ腫 / 腫瘍幹細胞 / 病理学 |
Research Abstract |
悪性リンパ腫において腫瘍幹細胞としての役割をもつ細胞を同定するためには, リンパ腫細胞からマーカーを利用してソートされた細胞をNOD/Scidマウスに移植する必要がある. そのためには腫瘍幹細胞マーカーを検索しなければならない. 本年度は, 腫瘍幹細胞が多く含まれていると考えられるside-populationをソートし, その画分に高発現する遺伝子を調べることで腫瘍幹細胞マーカーを検討した. まずside-popubtion画分を多く含む乳癌細胞株よりside-populationで高発現する遺伝子として同定したCD55を用いて, その発現と予後との関係を乳癌臨床検体を用いて検討したところ, CD55を高発現する細胞を多く含む症例では予後不良であった. また, 造血系や間葉系の幹細胞に発現が報告されているCDCP1について, 肺腺癌臨床検体を用いてその発現と予後との関係について検討したところ, CDCP1の発現が高い症例の方が, 低い症例に比較し有意に予後不良であった. これらのことから腫瘍幹細胞の存在の多寡が予後を決定することが示唆された. 次に悪性リンパ腫細胞株より, 乳癌細胞株のside-populationで高発現するマーカーを用いて検討した結果、Notch2の発現が高いものの方が, 低いものに比べて腫瘍形成能が高いことがin vitro colony形成能およびNOD/Scidマウスへの移植により確認された. また, side-populationを有する悪性リンパ腫細胞株についてside-population画分をソートし、細胞をNOD/Scidマウスに移植した. すると, side-population画分の方が, 造腫瘍能が高かった. 以上より悪性リンパ腫においても腫瘍内に腫瘍形成能を有する一群が存在することが示唆された.
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