2009 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞Stemnessを制御する新規がん幹細胞マーカーの同定と機能解析
Project/Area Number |
19790274
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
竹信 尚典 Chiba Cancer Center (Research Institute), 千葉県がんセンター(研究所)発がん制御研究部, 研究員 (60392247)
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Keywords | 幹細胞 / 発がん / 分化 |
Research Abstract |
神経および脳腫瘍の幹細胞マーカーであるCD133の発現量は、神経芽腫の悪性な予後と相関する遺伝子MYCNの増幅と相関して増加することを見出した。そこで、神経芽腫細胞株を用いてCD133を高発現または発現抑制したところ、CD133発現は、細胞増殖速度、軟寒天中でのコロニー形成、ヌードマウスの腫瘍形成能のそれぞれに対し、促進的に働いていることが明らかとなった。さらに、神経芽腫のがん幹細胞の増殖を促すスフェア(細胞塊)培養を用いることで、CD133高発現な神経芽腫が濃縮出来ることを明らかにした。また、CD133を過剰発現するとスフェア内での細胞の生存率の上昇が見られ、CD133はがん幹細胞の維持に重要な役割を持つことが示唆された。また、神経芽腫においてCD133の発現を抑制すると神経芽腫突起の伸長が誘導され、逆にCD133低発現の細胞でCD133を高発現させると神経栄養因子GDNFの受容体RETの転写が抑制され、GDNF依存的な細胞分化を著明に抑制することが明らかとなった。これらのことからCD133が受容体RETを介して神経芽腫のStemmessの維持に関る重要な役割を担っていることが示された。一方でCD133の制御には神経芽腫のWYCNでの転写誘導および、プロモーター領域のメチル化による転写抑制が存在することが明らかとなった。このことから、CD133の転写機構をターゲットにすることで、神経芽腫の分化を促進する、新たな治療法の可能性が示唆された。
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[Journal Article] Bmil is a MYCN target gene that regulates tumorigenesis through repression of KIF1Bbeta and TSLC1 in neuroblastoma.2010
Author(s)
Ochiai H, Takenobu H, Nakagawa A, Yamaguchi Y, Kimura M, Ohira M, Okimoto Y, Fujimura Y, Koseki H, Kohno Y, Nakagawara A, Kamijo T.
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Journal Title
Peer Reviewed
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[Journal Article] Plk1 regulates liver tumor cell death by phosphorylation of TAp63.2009
Author(s)
Komatsu S, Takenobu H, Ozaki T, Ando K, Koida N, Suenaga Y, Ichikawa T, Hishiki T, Chiba T, Iwama A, Yoshida H, Ohnuma N, Nakagawara A, Kamijo T.
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Journal Title
Oncogene 28
Pages: 3631-3641
Peer Reviewed
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