2007 Fiscal Year Annual Research Report
脂質代謝と硬化関連サイトカインからみた糖尿病性腎症における内皮細胞障害機序の検討
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19790297
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
種田 積子 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 助教 (40408472)
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Keywords | 糸球体内皮細胞障害 / 尿中アルブミン / PPAR gamma / TGF-beta 1 / methylglyoxal / 脂質代謝 |
Research Abstract |
高血糖による糸球体内皮細胞障害をVivoとVitroの両面より検討した。まずCD1マウスにストレプトゾトシンを腹腔内投与して糖尿病を発症させ、投与後2週と4週にと殺した。経過中血糖値は400台、尿糖4+を呈し、対象群に比べ体重減少を認めた。尿中アルブミンは2週の時点では陰性であったが、4週の時点で対象群に比べて高値を示した。組織学的に4週の時点で、光顕上で糸球体の腫大と軽度の間質の障害が見られた。今後電顕で糸球体内皮細胞障害の程度を確認予定である。また、免疫組織学的に、糸球体内皮細胞におけるPPARgammaはわずかに減弱し、TGF-b1は軽度にメサンギウムでの増加を認めたものの、内皮細胞では著変を認めなかった。現在糖尿病発症マウスに対して、PPARgamma agonist含む脂質代謝に影響のある薬剤を投薬し、その影響を検討中である。次にラットの糸球体内皮細胞を高血糖下(5mM,30mM,50mMの糖濃度で、各1日、3日、5日間培養)あるいはmethylglyoxa1(MG)(OnM,40mMで2日間,400mMで4時間)で培養した。RT-PCRでPPARgammaとTGF-b1のmRNA発現を比較したところ、高血糖下では、両者はほとんど変わらなかった。一方でMG投与下では、対象群に比べ、PPARgammaは減弱し、TGF-b1は有意に高値を示した。今後はこれらの変化をmRNAや蛋白レベルで検討し、内皮障害の機序を検討する予定である。
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