2007 Fiscal Year Annual Research Report
非アルコール性脂肪肝(NAFLD)発症に関わる免疫学的検討
Project/Area Number |
19790299
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Research Institution | Kitasato Institute |
Principal Investigator |
入江 潤一郎 Kitasato Institute, 北里研究所病院, 研究員 (70306687)
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Keywords | 非アルコール性脂肪肝 |
Research Abstract |
まず研究代表者はマウスNAFLD誘導に要する抗T細胞受容体抗体の至適投与量を検討した。研究代表者は今までの検討で、C57BL6マウスー匹あたり200μgの抗体の投与でNAFLDが誘導されることを見出していたが、今回一匹あたりの抗体投与量を1,5,10,25,50,100,200μgと段階的に変化させ、NAFLDを誘導するのに必要十分な抗体量を検討した。その結果、最低100μgの抗体投与が病態の誘導に必要であることを見出し、以降抗体100μgを使用して検討した。次にNAFLD誘導に対する感受性のマウス種差の検討を行った。DBAマウスではNAFLDを誘導が困難であり、またC57BL/6Nマウスでは誘導が容易であった。しかし雌雄差や週令が影響することも見出した。さらにNAFLDの発症に寄与する液性、細胞性因子の検討を行った。すなわちNAFLDを発症したマウスから血清および免疫担当細胞を抽出し、免疫細胞を生来欠く免疫不全マウスに移植した。血清の移入では病態を移入できず、細胞分画の移植にて病態の移入が可能であった。よって免疫担当細胞がNAFLD発症に影響していると考えられた。加えて、同血清中の催炎症性サイトカイン量を検討したが、明らかに変化しているものを認めず、これも液性因子でなく細胞性因子がNAFLDの発症に寄与するとする上述の所見に合致するものであった。以上、現在までの研究結果から、ある特定の免疫担当細胞群がNAFLD発症に重要であることが明らかとなった。今後どの細胞群がこの役割を担っているのかの解析を行っていく。
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Research Products
(1 results)