2008 Fiscal Year Annual Research Report
RNAiスクリーニングによる住血吸虫免疫回避担当分子の網羅的検索
Project/Area Number |
19790305
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
熊谷 貴 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (40369054)
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Keywords | 日本住血吸虫 / RNAiスクリーニング / サブトラクション法 / カテプシンB / 一酸化窒素 / 薬剤開発 / ペルオキシレドキシン / in vivo RNAi |
Research Abstract |
本年度は昨年度に収集したセルカリアとシストソミュラのRNAがらcDNAライブラリーを作製し、サプレッション・サブトラクション法により、シストソミュラの発育段階で発現上昇する遺伝子のcDNAライブラリーを作製した。TAクローニング後、コロニー192個についてシークエンス解析を行った。ホモロジー検索を行い、それぞれの遺伝子にアノテーションをつけた。同定された遺伝子は130種類で、現在機能未知の遺伝子が1/4程見つかった。既知のものでは、カテプシンB様遺伝子が最も多く10%程度見つかり、タンパク質制限酵素等が全体の1/4を占めた。また、シグナル伝達配列、成長・発育に関係のあるRASシグナル、遺伝子発現調節因子、モバイル遺伝子、膜関連遺伝子等が、多く見つかってきた。それぞれの遺伝子からdsRNAを作製し、1st RNAiスクリーニングを現在50遺伝子について行った。生存率に現象の見られる遺伝子が8/50、NO耐性に関連あるものが3/35検出された。現在さらに多くのdsRNAを作製し、スクリーニングを続けている。また将来のRNAi法の応用として、抗酸化タンパク質ペルオキシレドキシンを標的とした、新規のin vivo RNAi法の確立のための検討を行った。具体的には、宿主内に寄生している住血吸虫を、宿主にdsRNAを静脈投与することで、遺伝子をノックダウンさせる方法を試みた。その結果、特異遺伝子の発現抑制と、標的であるペルオキシレドキシンが住血吸虫の産卵能に影響を与えることを見出した。
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Research Products
(8 results)