2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790307
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
岩永 史朗 Tottori University, 医学部, 講師 (20314510)
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Keywords | 熱帯熱マラリア / 人工染色体 / 遺伝子操作 |
Research Abstract |
熱帯熱マラリア原虫の人工染色体を作製することを目的として、研究を行った。まず、人工染色体構築に必須な因子であるセントロメアのクローニングを試みた。公開されている熱帯熱マラリア原虫のゲノム配列に対し、AT含量・繰返し配列の存在を指標にセントロメア領域の染色体上の位置および配列を予測し、これをPCR法によりクローニングした。続いて、クローニングしたセントロメア領域をプラスミドDNAに組み込み、環状の人工染色体を構築した。このプラスミドにはセントロメアのほかに緑蛍光タンパク質と薬剤耐性遺伝子としてブラストサイジン耐性遺伝子を組み込んだ。構築した人工染色体を常法に従い、エレクトロポレーション法を用いて、熱帯熱マラリア原虫に導入し、組換え原虫の作出を試みた。その結果、コントロールプラスミドと比較し、人工染色体を用いた場合、有意に組換え原虫を獲得するまでの期間カミ短縮された。これは人工染色体に組み込んだセントロメアの機能により、細胞分裂時のプラスミドの娘細胞への分配効率がコントロールプラスミドと比較し、大幅に改善された結果と考察した。以上の結果より、熱帯熱マラリア原虫の人工染色体作出に成功し、これまで多大な労力と時間を要した熱帯熱マラリア原虫の遺伝子操作技術を大幅に改善することに成功した。
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