2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790308
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
大槻 均 Ehime University, 大学院・医学系研究科, 助教 (80403806)
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Keywords | マラリア原虫 / 赤血球侵入 / 病原性 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
1. 研究の目的 PyEBLの局在の相違がP. yoeliiの強毒株と弱毒株の病原性の違いの原因なのかを明らかにする。 2. 具体的内容 1)PyEBLの第6領域の一塩基置換を含む部分を致死株と非致死株のネズミマラリア原虫P. yoeliiからPCR増幅し、一塩基置換領域が致死株型と非致死株型の間で入れ替わるような遺伝子導入用コンストラクトを構築した。 2)電気穿孔法にて致死株と非致死株のネズミマラリア原虫P. yoeliiに遺伝子導入してマウスに感染させ、薬剤で選択を行い、遺伝子組換え原虫を得た。 3)間接蛍光抗体法で第6領域の塩基の置換によりPyEBLの局在が変化した事を確認した。 4)遺伝子組換え原虫と野生株のネズミマラリア原虫P. yoeliiをマウスに感染させたところ、遺伝子組換えによって第6領域を強毒型とした弱毒株の感染率は上昇し、逆に弱毒型とした強毒株の感染率は著明に低下した。また感染する赤血球のステージも変化していた。 3. 研究の意義 EBL分子の細胞内の局在が第6領域によって決定されている事、EBL分子の細胞内局在の違いがマラリア原虫の感染性を決定する最大の要因である事を明らかにした。 4. 重要性 マラリア原虫赤血球侵入メカニズムの解明に、新たな視点を加える事が出来た。
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