2008 Fiscal Year Annual Research Report
腸管出血性大腸菌の3型分泌装置依存的サイトカイン産生抑制機構の解析
Project/Area Number |
19790320
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
児玉 年央 Osaka University, 微生物病研究所, 助教 (20346133)
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Keywords | 腸管出血性大腸菌 / 3型分泌装置 / エフェクター / 炎症性サイトカイン |
Research Abstract |
腸管出血性大腸菌感染症の臨床症状では、炎症反応が低いという特徴を有する。しかしながら、その機構は全く明らかにされいない。これまでの解析結果により、この炎症抑制作用は3型分泌装置(Type III secfetion system ; TTSS)依存的であり、さらに未知のエフェクターが寄与している可能性が示唆されている。そこで、まずエフェクター同定のためのアッセイ系を確立した。本研究では、EHECを宿主細胞に感染させるのではなく、EHECの培養上清をprotein transfection(つまり培養上精に分泌されたエフェクターを人工的に細胞内に注入する)し、その細胞のTNF刺激に対する反応性を解析するというアッセイ系を考案した。これまでにsepL遺伝子欠損およびChariot protein transfection regent (ACTIVE MOTIF)を用いたときにもっとも良好な結果が得られたが、さらにhfq遺伝子欠損によってTTSSエフェクターの分泌量がさらに亢進することを見出した。また、インドール添加およびpchA遺伝子発現によってもTTSSの発現量が上昇することも明らかになった(Hirakawa et.al. Microbiology. (2009)155, 541-540)。現在、これまで得られた条件の組み合わせで、最良な条件を検討している。これらの知見をもとにEHEC培養上清の分画を行う予定である。
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Research Products
(23 results)