2007 Fiscal Year Annual Research Report
Liposomeを用いたLPSの認識機構に関する研究
Project/Area Number |
19790326
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
井上 浄 Kitasato University, 理学部, 助教 (00433714)
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Keywords | lipopolysaccharide / toll-like-receptor4 / CD14 / TRIF / MyD88 / IFN-β / liposome |
Research Abstract |
リポ多糖(LPS)の認識には様々な分子の関与が報告されており、中でもTLR4はそのシグナルを細胞内へと伝える重要なレセプターの一つである。IPSによるTLR4を介したシグナル伝達はMyD88ならびにTRIFを介した経路が報告されているが、本研究によってTRIF依存的経路のみを活性化するLPS-liposomeの開発に成功した。このLPS-liposomeはLPSと比較して、 TNFおよびIL-6産生を誘導しないが、typeI-IFN産生を誘導することをマウスマクロファージで確認した。 LPSによるtypeI-IFN産生はCD14に依存することが報告されているため、ワイルドタイプのマウスおよびCD14ノックアウトマウス、さらにS-formおよびR-form-LPSの組み合わせを利用し、 TRIF依存的経路のCD14の関与について検討を行ったところ、S-form、 R-formに関わらずtypeI-HFN産生はCD14に依存することが確認できた。驚くことにこの系においてLPS-liposomeは、CD14ノックアウトマウスのマクロファージにおいて、S-form、 R-formに関わらずtypeI-IFN産生を誘導することを明らかとした。この結果はすなわち、 LPSによるTRIF依存的経路のシグナル伝達には、 LPSがCD14によって細胞内に取り込まれることが重要であり、他方LPS-liposomeはCD14が存在しなくても効率良く細胞内に取り込まれるため、TRIF依存的経路のみが活性化されることを強く示唆するものである。さらにLPS-liposomeの取り込み経路について詳細な検討を行ったところ、クラスリン依存性のエンドサイトーシスで取り込まれ、且つlate endsomeマーカーと重ならないことから、 early endosomeにおける認識が重要であることを見出している。今後、その詳細なメカニズムの解明を行っていく。
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