2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコバクター・ピロリのキノロン耐性遺伝子変異における糞便迅速診断法の開発
Project/Area Number |
19790327
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西澤 俊宏 Keio University, 医学部, 助教 (80348648)
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Keywords | H.phlore / フルオロキノロン / gyrA遺伝子 |
Research Abstract |
H.pylori培養51株よりDNAを抽出しgyrAのキノロン耐性決定領域の遺伝子をPCRで増幅し遺伝子配列をシークエンスした。既報や当院での分離株でのgyrA遺伝子変異としてはC261A, C261G, G271A, G271T, A272Gであり、それぞれの変異に特異的なプライマーを作成した。プライマーの3末端より2個目の塩基はPCR増幅率に決定的な影響与えることがわかっており、この部位に点突然変異部位にあわせ、変異株において一致させた。更に変異株でのPCR増幅を特異的にするために3末端から3番目〜5番目の塩基に1箇所ミスマッチを作成した。gyrA遺伝子配列のシークエンスが完了した野生株・変異株において、アレル特異的PCR法により野生株と変異株を2本のPCRチューブで3〜4時間で識別可能であった。糞便からのgyrA遺伝子増幅を各種のプライマーで試みたが、他の腸内細菌のgyrA遺伝子も増幅されてしまい糞便検体からの迅速検出法開発は断念した。また、15例のクラリスロマイシン・メトロニダゾール両耐性あるいは一次除菌不成功でメトロニダゾール耐性の症例に対しガチフロキサシン(GFLX)/アモキイシリン/ラベプラゾールでの除菌治療を施行した。GFLXのMIC<1μg/mlのGFLX感受性あるいはgyrA遺伝子変異のない症例では100%の成功率だったのに対し、GFLXのMIC<1μg/mlのGFLX感受性あるいはgyrA遺伝子変異のない症例では100%の成功率であったが、GFLXのMIC≧1μg/mlのGFLX耐性あるいはgyrA遺伝子変異のある症例では28.6%の成功率と有意差を認めた。GFLXによる三次除菌に際しては、薬剤感受性試験あるいはgyrA遺伝子変異の検討が有用と考えられた。
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Research Products
(11 results)