2008 Fiscal Year Annual Research Report
KSHVゲノムの潜伏感染複製およびゲノム分配・維持機構の解明
Project/Area Number |
19790336
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大崎 恵理子 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 特任研究員 (50447801)
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Keywords | KSHV / 潜伏感染 / ゲノム複製 / LANA / 核マトリックス / 宿主複製開始因子 |
Research Abstract |
カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)は細胞周期に同調した複製と分裂時の均等なゲノム分配機構により潜伏感染を維持している。KSHVゲノムの潜伏感染複製にはウイルス因子LANAと複製開始起点(OriP)としてTerminal repeat(TR)が必要であり, ORC, Cdc6, Cdt1などの宿主複製開始因子(pre-RC)を集結させて達成されると考えられる。 本研究では, LANAが難溶性分画(核マトリックス分画)へ集積することを明らかにした。この結果はIFAによる細胞内局在と一致した。さらに, TR挿入プラスミドの複製にはLANAの核マトリックス分画への局在が必要であった。細胞分画後のOriP領域の局在をPCRにより調べたところ, LANAの局在と同様に核マトリックス分画に局在が見られた。LANAは細胞周期を通じてこの分画に存在する一方, TRはG1期特異的な局在であった。よってLANA依存的にOriP領域が核マトリックス上にリクルートされ, G1期にpre-RCの形成が行なわれることで複製を開始し, 複製後のDNA領域は核マトリックス上から遊離することが示唆された。本結果は, これまでのLANAとpre-RCとの相互作用を重要視したこれまでの見解について問題提起するものである。また, KSHVゲノム内のTR近傍にmatrix-attachment region(MAR)の特徴を示す領域(K-MAR)を見いだした。K-MARを挿入したGFP発現G418耐性プラスミドを導入した細胞は薬剤選択下で有意に高いコロニー形成能を示した。K-MARは自立複製能力を持たないことから, 薬剤耐性遺伝子のより安定な発現に関与していることが示唆された。Oripの複製機構とK-MARによる遺伝子安定発現機構を明らかにすることで遺伝子治療用ベクター開発にも有用な情報が得られると考えられる。
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