2007 Fiscal Year Annual Research Report
宿主インターフェロンシステムとニパウイルスアクセサリー蛋白質の対抗能
Project/Area Number |
19790337
|
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
北川 善紀 Shiga University of Medical Science, 医学部, 助教 (00444448)
|
Keywords | パラミクソウイルス / ニパウイルス / インターフェロン / 自然免疫 / IFNアンタゴニスト |
Research Abstract |
本研究課題では、まず、ニパウイルスのアクセサリー遺伝子であるC及びV、W遺伝子とP遺伝子をoligoDNAとPCR法を用いて合成し、これらの遺伝子断片を哺乳動物細胞用ベクターに組み込んだ。作成したそれぞれの発現ベクターを哺乳動物細胞に導入し、それぞれの蛋白質が発現することを確認した。 次に、ニパウイルスのアクセサリー蛋白質がIFN産生経路を抑制するか検討するため、アクセサリー蛋白質発現ベクターと共に、関与するシグナル伝達分子とIFNプロモータを配したレポータプラスミドを哺乳動物細胞に導入した再構築系を用いた。その結果、V及びC蛋白質がMyD88/TRAF6を介したIFN-α誘導経路を強く抑制することが明らかになった。 そこで、V及びC蛋白質が、MyD88/TRAF6依存的経路のどの過程を阻害しているのか検討を行った。それぞれのウイルス蛋白質がシグナル伝達分子と相互作用するかどうか免疫沈降法を用いて評価した結果、IFN-αの転写因子であるIRF7と、V蛋白質が特異的に結合することが示された。以上の結果から、V蛋白質がIRF7と特異的に結合することにより、その機能を阻害し、IFN-αの産生を抑制する可能性が示唆された。一方、C蛋白質については、IRF7との結合は認められなかった。より詳細な解析を進めている。 これまでに、ニパウイルスを含めパラミクソウイルス科では、IRF7と結合し、その機能を抑制するウイルス蛋白質の存在は報告されていない。本研究課題で得られた知見は、パラミクソウイルスの新しいIFN対抗能であると考えられる。
|
Research Products
(1 results)