2008 Fiscal Year Annual Research Report
複数のウイルス蛋白質の協調によるユニークな出芽機構の解明
Project/Area Number |
19790341
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
入江 崇 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70419498)
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Keywords | パラミクソウイルス / 出芽・粒子形成 / ウイルスRNA合成 / 自然免疫 |
Research Abstract |
センダイウイルスの出芽は、他のエンベロープウイルスとは異なるユニークな特徴を有しており、単独でウイルス様粒子(VLP)の形成・出芽能を持つマトリクス(M)蛋白質が、宿主の多小胞体ソーティングに関与するAlix/AIP1と相互作用するだけでなく、アクセサリー蛋白質であるC蛋白質もAlix/AIP1と相互作用し、出芽を促進するが(Sakaguchi,et.al., 2005 ; Irie,et.al., 2007)、その機構として、C蛋白質が出芽の場である原形質膜に宿主のMVBソーティング関連分子をリクルートする事により、出芽を促進する事を明らかにした(Irie, et.al., 2008a)。また、この研究過程で、C蛋白質がウイルスゲノムRNA合成の極性を最適化しており、感染性ウイルス粒子の産生効率を上昇させている事を示した(Irie, et.al., 2008)。 本年度は、これらの成果を基に、様々な組換えウイルスを作成しウイルスレベルでの解析を試みた。 まず、M蛋白質上に同定した、出芽重要なYLDL配列上に変異を導入したウイルスを作成し、この配列が、ウイルスレベルでも出芽に非常に重要な役割を果たしている事を示した。 さらに、C蛋白質上の高度に保存された荷電アミノ酸クラスターに変異を導入した一連の組換えウイルスを作成し、これらがウイルスの出芽、蛋白質合成、RNA合成等だけでなく、自然免疫の誘導及び自然免疫に対する抵抗性に及ぼす影響を調べた。その結果、C蛋白質は、少なくとも3種類の異なる方法で、宿主の自然免疫応答を回避している事が明らかになった。 上記の結果は、国内外の学会で発表し、論文投稿を準備中である。
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Research Products
(4 results)