2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790347
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
有田 峰太郎 国立感染症研究所, 主任研究官 (70356244)
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Keywords | ポリオウイルス / ポリオ後症候群 / 残存性麻痺 / 複製 / 阻害剤 / スクリーニング / 擬似ウイルス / マウスモデル |
Research Abstract |
ポリオ後症候群の発症に関与する宿主遺伝子群を同定することを目的とし、これまでに見出した新規抗ポリオウイルス阻害剤GW5074についての解析をさらに進めた。昨年度までの研究により、GW5074は既知の抗エンテロウイルス化合物enviroximeと同じ耐性変異をウイルスに誘導することを見出し、共通の標的を持つ化合物群(envfiroxime様化合物群)に属すると考えられた。近年、新規抗エンテロウイルス化合物として、宿主のホスファジチルイノシトールキナーゼに対する非特異的阻害剤であるPIK93が同定された(Hsu et al., Cell, 2010)。この化合物に注目して、これまでに構築した耐性ウイルスのパネルを用いた性状を解析したところ、驚いたことにPIK93はenviroxime様化合物に分類されることがわかった。このことは、enviroxime様化合物の標的が、宿主のホスファチジルイノシトールキナーゼであることを示唆するものであると考えられた。そこで、ホスファチジルイノシトールキナーゼ群のin vitroにおける活性へのGW5074の影響および培養細胞におけるホスファチジルイノシトールキナーゼ遺伝子群のノックダウンによる解析を行った。その結果、GW5074は、in vitroにおいては、非特異的なホスファチジルイノシトールキナーゼの阻害剤として働くことが明らかとなった。さらに、ホスファチジルイノシトールキナーゼ遺伝子の中でPI4KBのみがGW5074の抗エンテロウイルス活性の標的であることが明らかとなった。よって、その標的および作用機序が不明であったGW5074が宿主タンパクであるPI4KBの活性を阻害することで、抗エンテロウイルス活性を示していることが明らかになった。このことから、少なくとも一部のenviroxime様化合物は、PI4KBを標的として抗ポリオウイルス活性を示すことが示唆された。
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