2007 Fiscal Year Annual Research Report
担癌生体内における免疫抑制解除の理論に基づいたタイプ1型癌免疫治療法の開発
Project/Area Number |
19790351
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
茶本 健司 Hokkaido University, 遺伝子病制御研究所, 助教 (50447041)
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Keywords | 腫瘍免疫学 / 免疫学 / 細胞生物学 |
Research Abstract |
本研究においてType1型抗腫瘍免疫を強く活性化できる癌特異的Th1をアジュバントと見なした、Th1アジュバント治療法、CpGをアジュバントとしたCpGアジュバント治療の開発に成功した。両治療法とも担癌生体内で癌特異的CTLを誘導でき、充分大きな腫瘍塊(EG-7;リンフォーマ)を拒絶することに成功した。そこでこの手法をヒトの癌で多い、上皮癌(LLC-OVA)に適応すると腫瘍増殖抑制効果はみられるものの腫瘍塊を拒絶するには至らなかった。よって上皮癌でもこれらの免疫治療法を適応できる方法を開発する必要がある。 そこで既存の癌治療法である放射線治療法との併用を検討した。LLC-OVAは免疫治療だけでなく放射線治療にも耐性である。LLC-OVAをC57BL/6に(2x10^6個)皮内接種し、腫瘍の大きさが6mm〜8mmになったところで治療を開始した。放射線(X線)を照射する際、腫瘍部以外は厚さ4mmの鉛板で遮蔽し、腫瘍局所に1回14Gy(10G/min)で2日続けて2回照射した。CpG癌ワクチン治療では2回目の照射が終わった直後にCpG(50μg)とOVAタンパク(200μg)をリポソーム(230μg)に封入し所属リンパ節近傍に皮内接種した。Th1アジュバント治療法ではTh1(2x10^7)とOVAタンパク(5μg)を混合し腫瘍塊近傍に皮内接種した。その結果、放射線治療単独群、CpGワクチン治療単独群、もしくはTh1アジュバント治療単独群では若干抗腫瘍効果が見られたが、顕著な延命効果は見られなかった。それに対し放射線治療とCpG癌ワクチン治療もしくはTh1アジュバント治療の併用群では顕著な抗腫瘍効果と延命効果が見られ、完全治癒するマウスも観察できた。これらのことはCpG癌ワクチン治療と放射線治療の併用が上皮性癌の治療においても非常に有用であることを証明している。
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Research Products
(12 results)