2007 Fiscal Year Annual Research Report
粘膜固有層Tip-DCによるIgA生産誘導機構の解明とIgA腎症治療への応用
Project/Area Number |
19790353
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
手塚 裕之 Akita University, 医学部, 助教 (30375258)
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Keywords | Iga / IgA腎症 / HIGAマウス / Tip-DC / plasmacytoid D |
Research Abstract |
平成19年度は、粘膜樹状細胞によるIgA生産誘導機構を解明することを目的として研究をおこない、以下の成果が得られた。 誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOs)の遺伝子欠損マウスでは血清および腸管内容物中のIgAレベルが著明かつ選択的に低下していることを見出しているが、その原因は、iNOs^<-/->マウスではナイーブB細胞のII型TGFβ受容体(TGFβRII)発現や、粘膜樹状細胞からのAPRILおよびBAFF生産の低下によるものであった。これらの結果から、生体内には構成的にiNOSを発現している細胞が存在することが予測されたので、iNOs^+細胞の探索を試みた。その結果、iNOs^+細胞は粘膜関連リンパ組織や小腸粘膜固有層に局在するCD11c^+細胞であり、主に粘膜上皮細胞直下に分布していることが判明した。また、本細胞のフェノタイプはリステリア感染により脾臓にリクルートされることが報告されているTNF/iNOS生産性樹状細胞(Tip-DC)と完全に一致した。興味深いことに、本細胞は無菌マウスや微生物成分の認識に関わる遺伝子(MyD88など)の欠損マウスでは存在しないことや、これらマウスではIgAレベルが著明に低下していたことから、本細胞は腸管常在菌の刺激により生理的に誘導されることが判明した。さらに、Tip-DCを含む野生型マウスの粘膜固有層樹状細胞をiNOs^<-/->マウスに移入したところ、血清および腸管内容物中のIgAレベルや、ナイーブB細胞のTGFβRII発現が著しく回復したことから、粘膜Tip-DCはIgA生産誘導に必要であることが判明した。これらの成果は、Nature誌に掲載された。
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Research Products
(11 results)