2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790354
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
長井 良憲 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (30431761)
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Keywords | 免疫学 / 自然免疫 / Toll-like receptor / 造血分化 |
Research Abstract |
本研究はTLRシグナルによる造血分化制御機構の分子メカニズムを明らかにすることを目的としている。 1)造血分化制御におけるTLRシグナル解析 細菌DNAのレセプターであるTLR9が造血前駆細胞に発現していることを明らかにした。TLR9は前駆細胞の中でもリンパ球系前駆細胞に高く発現していた。リンパ球系前駆細胞を細菌DNAで刺激すると、Bリンパ球への分化が抑制され、形質細胞様樹状細胞への分化が促進された。以上の結果から、TLR2/4刺激ではリンパ球系前駆細胞より骨髄球系樹状細胞が分化するのに対して、TLR9刺激では形質細胞様樹状細胞が分化することが示された。 2)TLRシグナルの制御、その以上・破綻と造血異常との関連 リンパ球系前駆細胞をIL-7で刺激するとSTAT5のリン酸化が認められるが、IL-7と細菌DNA刺激ではSTAT5のリン酸化が消失した。上記のとおり、細菌DNA刺激によるTLR9シグナルによりリンパ球系前駆細胞からのBリンパ球分化が抑制されるが、この機序の一つとして、TLR9シグナルによるIL-7受容体シグナルの負の制御が考えられた。 3)個体発生における自然免疫系分化とTLRシグナル 胎児期において肝臓は重要な造血器官である。成体期の骨髄と同様に、胎生期肝臓の造血前駆細胞においてTLRとその関連分子が発現していることを明らかにした。
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