2007 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞特異的TAK1欠損マウスにおける腸炎発症メカニズムの解析
Project/Area Number |
19790355
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 慎太郎 The University of Tokyo, 医科学研究所, 助教 (80447333)
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Keywords | TAK1 / 炎症性腸疾患 / 制御性T細胞 / ノックアウトマウス / 粘膜免疫 |
Research Abstract |
Cre-loxPシステムに準じたfloxed-Taklマウス(Tak^<flox/flox>)、およびLck-Cre(審良静男教授、竹田潤二教授;大阪大学)、CD4-Cre(Prof. Christopher B. Wilson;Univ. Washington)は体外受精によるクリーンアップを行い、当研究所のSPF動物室に搬入した。すべてのマウスのC57B6/Jへのバッククロス、T細胞特異的TAK1欠損マウス(Lck-Cre;Takl, CD4-Cre;Takl)、およびTNFとの二重欠損マウス(Lck-Cre;Takl;Tnf)の作製を完了した。T細胞特異的TAKl欠損マウスから調整した胸腺細胞は、TNF刺激によるアポトーシスが亢進していることから、T細胞特異的TAKl欠損マウスが呈するT細胞の分化異常、腸炎発症がTNFとの二重欠損マウス(DKO)で変化するかを観察した。その結果、DKOマウスにおいてもT細胞の分化異常や腸炎発症が認められたことから、これらの異常は少なくともTNFのみによる影響ではないことが明らかになった。また、野生型マウス脾臓よりレギュラトリーT(Treg)細胞を調整し、新生児Lck^<Cre/+>Takl^<flox/flox>マウスに移入を行い上記の異常が回避されるかを検討したが、移入したTreg細胞が定着しているにもかかわらず腸炎を発症した個体が認められた。これらの結果は、胸腺でのCreによるTakl遺伝子の消失を逃れた未熟なT細胞亜集団が末梢で増殖することが腸炎の引き金になっていることを示唆している。腸管局所には、他の免疫担当細胞とは異なるT細胞集団(γδT細胞)が存在するため、現在これらの細胞について野生型と比較検討している。
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