2008 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞特異的TAK1欠損マウスにおける腸炎発症メカニズムの解析
Project/Area Number |
19790355
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 慎太郎 The University of Tokyo, 医科学研究所, 助教 (80447333)
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Keywords | TAK1 / 炎症性腸疾患 / 制御性T細胞 / ノックアウトマウス / 粘膜免疫 |
Research Abstract |
T細胞特異的TAK1欠損(TAK1^<T-KO>)マウスでは、末梢でのT細胞がほとんど認められず、4ヶ月齢頃から大腸炎を発症する。腸管には他の免疫担当組織に比べ、γδT細胞が高頻度で存在する。腸管におけるγδT細胞の機能に関しては不明な点が多いが、γδT細胞群はレギュラトリーT細胞の1つのサブセットとして考えられており、TAKI^<T-KO>マウスにおける腸炎発症にも関与している可能性が示唆された。そこで、昨年度新たに作製したTAKI^<T-KO>マウス(Cd4^<Cre/+>Tak1^<flox/flox>)を用いて、小腸の上皮細胞間リンパ球(IEL)、粘膜固有層リンパ球(LPL)におけるT細胞集団を野生型のそれらと、フローサイトメーターで比較した。脾臓や末梢リンパ節などと異なり、IEL、LPL中のCD3陽性T細胞数は野生型とTAK1^<T-KO>マウス間で大きな差は認められなかった。T細胞分画を細かく見ていくと、TAKI^<T-KO>マウスではCD4陽性細胞の割合が減少し、CD8陽性細胞の割合が増加していた。また、IEL、LPLいずれにおいてもCD8αβの分画が顕著に減少していた。それに伴い、TAKI^<T-KO>ではCD8α陽性細胞のほとんどがγδT細胞であり、逆にαβT細胞がほとんど認められなかった。以上の結果から、αβT細胞と異なり、γδT細胞の分化はTAK1に非依存的であることが示唆された。TAK1のシグナル伝達を軸に、腸管でのγδT細胞の機能解明に向けて現在も解析を継続中である。
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