2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規に樹立した濾胞樹状細胞株を用いる胚中心B細胞応答の解析
Project/Area Number |
19790360
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西川 裕美子 Okayama University, 新技術研究センター, 助教 (60448214)
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Keywords | 親和性成熟 / 胚中心 / 濾胞樹状細胞 / クラススイッチ |
Research Abstract |
<研究の目的>抗原感作の際に生体の二次リンパ組織に形成される胚中心は、特異的抗原により活性化したB細胞が抗原レセプターの特異性を体細胞突然変異(SHM)により改変し、更に高親和性の抗体を産生する細胞を選択する、抗体親和性成熟の場となっている。この選択機構の際に、濾胞樹状細胞(FDC)が重要な役割を果たしており、親和性成熟機構の解明のためには、FDC共存下における抗原特異的なB細胞応答の解析系が必要である。本研究では、コラーゲンゲルによるリンパ節断片の三次元培養を行うことで、樹立に成功したマウス由来FDC様細胞株、pFLを用い、CSRやSHM、抗原特異的B細胞の選択をin vitroで再現できる培養系を確立し、解析することを目的とした。 <結果>(1)FDCがCSRに及ぼす影響:pFLとB細胞を抗CD40抗体共存下で培養したところ、高い抗体産生とCSR、AIDの発現が誘導されており、これにはpFLから産生されるBAFFが関与していた。(2)FDCにおける抗原特異的B細胞の選択過程の解析:pFL、リンパ節由来B細胞共培養系に胚中心T細胞が産生するIL-21を抗CD40抗体と共に添加すると細胞増殖、CSR、抗体産生、AID発現が促進された。しかし、pFL、B細胞共培養系にIL-21を単独添加した場合Pflの共存下においてのみB細胞のアポトーシスが誘導された。このアポトーシスの誘導は抗CD40抗体架橋刺激によって抑制されることが確認できた。 これらのことから、FDGは胚中心B細胞に対し、CSRやAID発現を促進する一方で、胚中心T細胞から補助刺激を受け取ることができないような、低親和性のB細胞や自己応答性のB細胞を、胚中心T細胞が産生するIL-21とFDCが産生する因子の働きによって除去する仕組みが備わっていることが示唆された。
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