2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコバクターピロリ感染時の肥満細胞によるB細胞及び血小板制御機構の解明
Project/Area Number |
19790364
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
永井 重徳 Keio University, 医学部, 助教 (50348801)
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Keywords | Helicobacter pylori / 肥満細胞 / B細胞 / 血小板 |
Research Abstract |
肥満細胞は、寄生虫感染においてその排除に働く重要な細胞であるが、近年、それ以外にウイルスや細菌感染に対する応答にも、重要な役割を果たしている事が明らかにされている。 また我々は、Helicobacter pylori(Hpylori)による胃炎発症には、獲得免疫系を介する全身性免疫反応が必須であることを見出している。そこで本研究では、H. pylori感染における肥満細胞の重要性を明らかにするため、肥満細胞欠損マウスを用いてH. pylori感染実験を行い、獲得免疫系の重要性について検討した。 肥満細胞欠損マウスにH. pylorif SS1株を感染させて数ケ月後に解剖し、病理学的解析を行ったところ、コントロールマウスと同様に好中球浸潤を伴う胃炎を発症したが、さらに粘膜筋板下にリンパ濾胞様組織を見出した。またその近傍には、好中球のみならず、細胞質の大きな形質細胞様細胞を見出し、B細胞による抗体産生が過剰になっている可能性が示された。 また、このH. pylori感染マウスの牌臓において、血小板のもととなる巨核球の数が、コントロールマウスの牌臓に比べて数倍増えていることを見出した。しかしこのマウスにH. pylori加河を感染させる前に、予め骨髄由来肥満細胞を移植しておくと、この巨核球数の増加が見られなくなることから、H. pylori感染による巨核球分化制御に肥満細胞が重要であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)