2007 Fiscal Year Annual Research Report
医療機器における充電式二次電池の使用の可否:RF-IDタグの機器管理への応用
Project/Area Number |
19790371
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新 秀直 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 臨床工学技士 (90444091)
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Keywords | 医療・福祉 / 臨床工学 / 二次電池 / 送信機 / 酸素館和度モニタ / 臨床応用 / 安全性 / 医療機器への応用 |
Research Abstract |
本研究の目的は医療機器に対して二次電池が安全に使用できるかという点を検討することにある. 今年度の研究では,主に酸素飽和度モニタを中心に乾電池および二次電池の連続作動時間の比較を行った.試料となる電池は,アルカリ乾電池(1種類)および二次電池(6種類)の合計7種類を使用して連続作動時間を測定した.連続作動時間はリアルタイムに電源電圧を測定し,その変化から電池交換警報発生時間および連続作動時間を測定した.同一の酸素飽和度モニタを使用して7種類の電池で各回新品を用いて5回測定した.その結果,乾電池群と比較して二次電池群では電池交換警報が発生してから実際に作動が停止するまでの時間が短い傾向にあることが分かった.しかし,その差は酸素飽和度モニタ使用時の緊急度を考えると,臨床上問題となるレベルではなく,運用で解決可能であると考えられた.また,連続作動時間については,二次電池の種類によってばらつきが大きく,定格容量が大きい二次電池で作動時間が長い傾向にあることが分かった.このことから,酸素飽和度モニタについては二次電池を応用できる可能性があり,医療機器の乾電池破棄コストの削減や廃棄物の増加による環境問題に対して改善できる可能性が示唆された. しかし,充放電回数によってどの程度劣化するかという点については今年度では検討されておらず,今後は連続作動時間だけでなく,充放電回数による影響や,実際に臨床応用する際のコスト比較などの検討が必要であると考えられた.また,実際に臨床に応用する場合には充電池の充放電管理や劣化判定などが重要な課題であると思われた. 一方で今年度の研究において,電池の充放電回数の履歴管理としてRF-IDチップの検討を進めてきたが,二次電池にRF-IDチップを貼付する方法等技術的要件を満たすことが,難しいと判断したため,バーコード管理による方法に変更し,管理ソフトを開発した.
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