2010 Fiscal Year Annual Research Report
チューブ類の自己抜去リスク・アセスメントツールに関する研究
Project/Area Number |
19790378
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
藤田 茂 東邦大学, 医学部, 助教 (50366499)
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Keywords | 医療安全 / リスクマネジメント / 医療事故 / 自己抜去 / 事故抜去 / カテーテル / ドレーン / チューブ |
Research Abstract |
本研究では、患者がチューブ類の自己抜去を起こす危険度を事前に評価し、適切な対応の選択を可能とする「自己抜去リスク・アセスメントシート」を、エビデンスに基づいて統計的な手法を用いて開発し、その有効性を検証することを目的とした。 平成21年度までに試作した評価シートは、感度に改善の余地があることが判明した。チューブの種類により各評価項目の重みが異なるため、感度を高めるためには、チューブの種類に応じた評価シートの開発が必要であると考えられた。そこで、中心静脈カテーテル(CVC)に絞り、改めてデータを収集した。調査対象は、東邦大学医療センター大森病院において平成22年1月から4月までの間に、新たにCVCを挿入した患者とした。 調査期間中に306件の症例を得たが、そのうち自己抜去に至ったのは1症例のみであり、自己抜去のリスクを評価することはできなかった。その理由として、前回の調査で自己抜去のリスクファクターが周知されたため、自己抜去が減少した可能性と、医師にも挿入時の合併症等の記載を求めたため、記載率が低下したこと等の影響が考えられた。 一方で、CVCの合併症のうち、動脈穿刺とカテーテル感染のリスクファクターについて知見を得ることができた。動脈穿刺は、緊急時など、インフォームドコンセントが無い場合や、患者の抹消静脈の確保が困難な場合、患者が肥満の場合、大腿静脈に穿刺した場合、3回以上穿刺した場合等に有意に多く発生することが分かった。また、カテーテル感染は、完全静脈栄養法を実施している場合と、患者がるい痩の場合に有意に多く発生することが分かった。
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Research Products
(1 results)