2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790384
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 浩明 Tohoku University, 病院, 助教 (80400373)
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Keywords | トランスポーター / 蛍光プローブ / リアルタイムイメージング |
Research Abstract |
これまで、生体内の内因性物質や薬物の膜透過機構について、バイオイメージングに関する研究はあまり進展していない。申請者は、トランスポーター輸送のリアルタイムイメージングに関して検討するため、新規蛍光プローブの合成あるいは検出系の確立を試みた。 まず、新規プローブとして、DY-675(DYOMICS社)で標識したケノデオキシコール酸(CDCA-DY-675)を合成した。本化合物を用いて、有機アニオントランスポーターであるOATP1B1およびOATP1B3を発現させた細胞における輸送実験を行ったところ、OATP1B1の基質とならず、OATP1B3の基質になることが明らかとなった。 続いて、以前に申請者が報告している7-nitrobenz-2-oxa-1,3-diazole(NBD)で標識したケノデオキシコール酸(CDCA-NBD)、ならびに今回合成したCDCA-DY-675を蛍光プローブとして、セルファンクションイメージャーを用いて、OATP1B3を介した輸送イメージングを画像解析した。その結果、CDCA-NBD、CDCA-DY-675ともに濃縮的な取り込みが認められ、取り込まれた蛍光プローブは、細胞質に存在することが明らかとなった。また、同一細胞を経時的に追跡したところ、時間依存的な取り込み量の増加(細胞内シグナル/バックグラウンド比の増加)が視覚的に確認された。 以上の結果より、申請者は蛍光プローブを用いた小分子輸送のイメージングに成功した。本研究成果は、生きた細胞のままトランスポーター機能を評価することができるため、これまで明らかにされていない駆動力等の輸送機構解明に応用可能であり、トランスポーター研究のブレークスルーになるものと考えられる。
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