2007 Fiscal Year Annual Research Report
腎尿細管特異的発現誘導型トランスジェニックマウスによる病態解明と新規治療法の開発
Project/Area Number |
19790385
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 健弘 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, COEフェロー (50396438)
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Keywords | トランスレーショナルリサーチ / シグナル伝達 / レニンーアンジオテンシン系 / 高血圧 / 糖尿病 |
Research Abstract |
研究の目的 本研究では高血圧症、糖尿病、虚血腎などの各種病態でその進行にangiotensinII(AII)が関わるAIIの尿細管作用を解明することを目的とする。具体的にはAII typel受容体(AT1)とAIItype2受容体A(T2)の2つのサブタイプ毎に尿細管特異的Cre-loxP/ROSA26-rtTA-GFP発現系を用い、doxycycline投与で任意にAT1/AT2の発現を変えられるトランスジェニック(TG)マウスを作製し、このTGマウスを用いた高血圧、糖尿病、虚血腎モデルでの検討を加えることで明らかにする。各種病態でのAT1、AT2作用の検討から、特にAT1を介したAIIの病態促進的な作用へのAT2の拮抗的作用の本態を明らかとし、AT2、AT1とAT2のシグナル伝達系、AIIの細胞内輸送系等を標的とした治療法開発への応用を目指す。 <平成19年度>トランスジェニックマウスの作製と系統の樹立 1.近位尿細管特異的rtTA/GFP蛋白発現マウスの作製 ROSA-rtTA-IRES-GFPマウス(Cre-enzyme発現臓器でのみrtTA蛋白とGFP蛋白が発現するTGマウス)とsglt2-Creマウス(近位尿細管特異的sglt2(Na^+-glucose cotransporter2)promoterでCre enzymeを発現するTGマウス)の交配で近位尿細管特異的rtTA/GFP蛋白発現マウスの系統を樹立し、蛍光顕微鏡でマウス腎近位尿細管特異的なGFP蛋白の発現を確認した。 2.rtTA/doxycycline誘導型(tet-on system)のAT1/AT2トランスジェニックマウスの作製 tet07プロモーター(doxycycline結合rtTA蛋白の結合により下流の蛋白発現が誘導される)のベクタープラスミドpBI3にマウスAT1およびAT2のcDNAを組み込み、tet-on systemが作動するtet07-AT1とtet07-AT2のTGコンストラクトを作製すべく、pBI3を開発者かより供与された。
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