2008 Fiscal Year Annual Research Report
カクテルsiRNA気管内投与による間質性肺炎治療の基礎研究
Project/Area Number |
19790386
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河野 雅之 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (00437203)
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Keywords | siRNA医薬 / 間質性肺炎 / 核酸 / 薬学 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
1. 間質性肺炎疾患モデルを用いたステロイド評価研究 間質性肺炎治療に多用されるステロイドについての肺局所噴霧投与の有用性をブレオマイシン(BLM)誘発肺線維化ラットモデルにて評価した。血中で長期安定なデキサメタゾン(DEX)と投与部位限定的な有効性を示すブデゾニド(BUD)との有効性と毒性を比較検討した。SDラット(雌、9週齢)にBLM(5mg/kg)を肺局所噴霧投与し、その翌日から1日おきに3回、BUDまたはDEXを0.2mg/kgとして肺局所噴霧投与した。BLM投与から1週間後に解剖して臓器重量測定、肺胞洗浄等を実施し、生化学的、病理学的検討等により肺線維化抑制効果を評価した。炎症及び繊維化に対する抑制効果は概ね同程度であったが、体重、脾臓、胸腺重量の低下がDEX投与群のみに顕著にみられた。有効性/毒性バランスとしてはDEXよりもBUDの方が良好であることが示された。(論文投稿中) 2. 新規肺線維化抑制siRNAの評価 TGF-β1、IL-13受容体2種類(IL13Rα1、2)を標的としたsiRNA(ラット配列)を設計し、ラット培養細胞におけるmRNA抑制効果を確認した。この3種類のsiRNAについて1.と同様にBLM誘発肺線維化ラットモデルにて有効性及び毒性を評価した。siRNAとその細胞導入効率を高めるDDSであるアテロコラーゲンを混合し、3種類のsiRNAともに30μg/100μLとして1日おきに3回肺へ局所噴霧投与した。TGF-β1及びIL13Rα2のsiRNA投与群において、炎症抑制及び繊維化抑制効果が示されかつ特段の毒性もみられなかった。 IL13Rα2について、ヒトとラットとの共通配列siRNAを4種類設計し、そのうち3種類にてヒトとラットのIL13Rα2高発現培養細胞における十分なmRNA抑制効果を確認できた。今後上記ラットモデルにて有効性を示した後に特許申請を行う予定である。
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