2008 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌腫瘍の顆粒形成とホルモン分泌を制御する細胞内コレステロール代謝
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19790392
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
橋本 博美 (横田 博美) Gunma University, 生体調節研究所, 助手 (30323372)
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Keywords | コレステロール / 分泌顆粒 / セクレトグラニンIII / 蛍光コレステロールプローブ |
Research Abstract |
内分泌細胞はホルモン顆粒で充満しており、外部刺激でその一部が細胞膜と融合し、内容物のホルモンを血流中に放出する。このホルモン分泌顆粒は細胞内のゴルジ棚トランス側のネットワーク構造(TGN)から出芽・形成される。内分泌腫瘍では細胞数が増加するので血中ホルモン値は上昇するが、細胞あたりの顆粒数は減少している。私達は分泌顆粒膜のコレステロール組成が細胞膜やシナプス小胞膜のそれ(20-25mol%)に比して倍近く高い40-50mol%を示すことを見いだした(BBA 1761 : 1169, 06)。この高いコレステロール組成が基になって分泌顆粒の構成タンパク質セクレトグラニンIIIがコレステロールに結合し、引き続いてホルモンキャリアータンパク質クロモグラニンAなどがセクレトグラニンIIIに結合子、顆粒膜にホルモン集合ドメインが作られる。つまり私は分泌顆粒はTGN膜の高コレステロールドメインから出芽・形成されると考えている。この仮説を実証するために群馬大学大学院工学研究科篠塚教授との共同研究でピレン蛍光団をもつコレステロールプローブを用いて、細胞内コレステロール動態を研究した。このプローブの発光団ピレンは抗体でも認識できるので、生細胞では発光を、固定細胞では抗体染色でコレステロール動態を追跡できる。プローブは内分泌顆粒に特異的に集積し、内因性コレステロールと同様の動態を示した。今後、このプローブを用いて顆粒形成に関わるコレステロール結合タンパク質を同定する。
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