2007 Fiscal Year Annual Research Report
多剤耐性緑膿菌感染のリスクファクターの検討と感染制御策の確立
Project/Area Number |
19790395
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
斉藤 崇 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (40422977)
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Keywords | 多剤耐性緑膿菌 / メタロ-β-ラクタマーゼ / リスクファクター / 感染防御対策 |
Research Abstract |
緑膿菌は易感染性宿主の主要な病原菌であるが、近年薬剤耐性化傾向が強まっており、多剤耐性緑膿菌(MDRP)やメタロ-βラクタマーゼ産生緑膿菌(MBLPA)は高度先端医療を行う施設において脅威となっている。これまで、耐性緑膿菌のリスクファクターの報告はいくつかあるが、わが国で比較的頻度高く検出されるMBLPAとMBL非産生MDRPとの比較は十分行われていない。このため、多施設共同研究により、MDRPの検出状況の把握、MDRPの遺伝学的背景および予後因子、更にはMDRP感染のリスクファクターの検討を行うことを本研究の目的とする。研究内容としては、(1)参加各施設におけるMDRPおよびMBLPA検出状況の把握、(2)MDRP患者患者の症例票作成、(3)菌株の収集を参加施設に依頼した。目標症例数は、MBLPAおよびMBL非産生MDRPそれぞれ50〜100症例ずつとした。京大病院では2004年にMBLPAによる感染アウトブレイクを経験した。その後環境整備も含めた感染予防策により、2004年年間19例から2007年には4例まで検出数が減少している。この間、カルバペネムの使用量が52%減少しており、同薬剤との関連が示唆されている。またMBLPAとMBL非産生MDRPの比は、29:32となっており、近年ではむしろMBLPAがより多く検出される傾向となっている。来年度は、参加協力施設の臨床データの解析、収集した菌株の細菌学的・遺伝学的解析をすすめ、MBLPAとMBL非産生MDRPのCase-control studyなどにより各々の耐性菌の感染伝播の要因を明らかにし、より効果的なMDRP感染防御策の確立を目指す。
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Research Products
(4 results)