2007 Fiscal Year Annual Research Report
血清中シアリルルイスXの合成制御機構および生体内免疫応答への関与
Project/Area Number |
19790398
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
桧貝 孝慈 Toho University, 薬学部, 講師 (70297711)
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Keywords | Fucosyltransferase VI / promoter / sialyl Lewis X / IL-1β / IL-6 |
Research Abstract |
炎症やがんなどの病態時における、sLeX合成関連糖転移酵素群の発現メカニズムや制御機構等に着目し、研究を行った。sLeXを細胞膜上や分泌タンパク質上に高発現している肝癌細胞株HepG2細胞を用いて、恒常的FUT VIの遺伝子発現制御機構を転写レベルで解析した。FUT VI転写開始点を5'-RACE法により決定し、promoter領域の同定を、5‘上流のdeletion vectorによるluciferase assayにより行った結果、-186〜-156及び-56〜-19の領域が、FUT VI発現に重要であることが明らかとなった。さらに、これらの領域に含まれるHNF-4αの強制発現により、転写活性およびFUT VI mRNA発現の増加が認められたことから、HepG2細胞では、HNF-4αFUT VIの発現に重要であることを明らかにした。この仕事は、FUT VI promoter領域を初めて同定した仕事である。IL-1βによるFUT VI mRNA発現調節機構を、mRNA安定化に着目し、mRNAの半減期をreal-time PCRにて解析した結果、FUT VI mRNAのt1/12は、4.0h、4.1hであった。この結果から、炎症モデルであるIL-1β刺激によるFUT VI mRNA発現の上昇は、安定性によるものではないことが明らかとなった。また、IL-6応答性モデルを、肝がん細胞株を用いて構築するために、各種肝癌細胞株に対して、C/EBP reporter assayを行った結果、HLF細胞において、IL-6刺激によるルシフェラーゼ活性の増加が認められた。この結果から、HLF細胞を用いた炎症モデルの構築が可能となった。 以上の結果は、肝臓における免疫応答に対する糖転移酵素の発現やその制御機構についての病態生化学的知見が得られたものと考えられる。
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Research Products
(2 results)