2008 Fiscal Year Annual Research Report
血清中シアリルルイスXの合成制御機構および生体内免疫応答への関与
Project/Area Number |
19790398
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
檜貝 孝慈 Toho University, 薬学部, 講師 (70297711)
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Keywords | sialyl Lewis X / CD94 / NKG2D / Lectin / α2, 3-sialic acid / NK細胞 |
Research Abstract |
sLeXの生体内免疫応答への関与を、NK細胞上のKLRsに着目して、KLRsと糖鎖の結合を解析した。KLRsであるCD94およびNKG2Dのレクチンドメインを、NK細胞株由来KHYG細胞のcDNAから、PCRでクローニングし、pGEX4-T1ベクターに組み込み、ampicminによるセレクションから、pGEX/KLRsベクターを得た。このベクター用いて、IPTG誘導後、rCD94およびrNKG2Dを大腸菌にて発現させ、グルタチオンカラムにて、目的のKLRs-GST融合タンパク質を得た。そして、sLeXプローブとして、HepG2細胞由来Transferrin(TF)との結合をEIA法により解析した結果、rNIKG2DおよびrCD94は、濃度依存的に固相化HepTfに特異的な結合が見られた。また、sLeXを構成する単糖の共存ではNeuAcのみで結合が阻害され、Asialo-HepTfに対する結合が有意に低下したことから、NKG2DおよびCD94の糖鎖認識にNeuAcが重要であることが明らかとなった。より詳細なリガンド構造を特定するため、TF糖鎖リモデリングを行い、結合を解析した結果、rNKG2DおよびrCD94はa2, 3-NeuAcをもつ3〜4本鎖のN結合型糖鎖を認識することを明らかにした。また、これらの結合は、rNKG2D(Y152A)、rCD94(F114A、N160A)のミューテーションにより、低下したことから、糖鎖認識に重要なアミノ酸残基の一部を明らかにすることが出来た。 本研究により、CD94およびNKG2Dの糖鎖リガンドを同定することに成功した。そして、NK細胞機能に及ぼすsLeXの関与を明らかにすることが出来た。生体内では、NK細胞上のCD94およびNKG2Dがこれらの異常な糖鎖を認識し、がん細胞の増殖を抑制することが考えられる。
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Research Products
(3 results)