2008 Fiscal Year Annual Research Report
バイオセーフティレベル(BSL)-2施設におけるHIV薬剤感受性検査法の開発
Project/Area Number |
19790401
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
藤野 真之 National Institute of Infectious Diseases, エイズ研究センター, 研究員 (50392329)
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Keywords | HIV-1 / 臨床検査 / 薬剤耐性 / バイオセーフティ |
Research Abstract |
HIV薬剤感受性検査は遺伝子検査とは異なり耐性の程度を定量化、既知の耐性変異以外による耐性の検出ができる事から、迅速かつ簡便な検査法の確立が望まれている。しかし、日本では、HIV-1の取扱がBSL-3に限定される事から、HIV-1の薬剤感受性検査を行う事は非常に難しい。この研究では、薬剤耐性HIV-1の薬剤感受性検査をBSL-2施設にて簡便に効率良く行う事が出来る系の構築を目的とした。現在主に遺伝子導入実験に用いられているHIV-1 vectorはBSL-2での使用が可能である。本研究ではHIV-1 vectorのpol領域にHIV-1感染者由来の薬剤耐性HIV-1のpolをIn-Fusionクローニングシステムにより簡便に組み換える事が出来る様に改変し、HIV-1 vector感染の指標としてルシフェラーゼ遺伝子を組み込んだ。作製したHIV-1 vectorを感染させたMT-2細胞は、既存の抗HIV薬剤に対して薬剤濃度依存的なルシフェラーゼ活性低下を示した。一方プロテアーゼ阻害剤に耐性である84V/90Mの変異ウイルスにおいては、SQVでは2.0倍、NFVに対しては4.3倍の耐性を示した。核酸系逆転写酵素阻害剤耐性の41L/67L/70R/215Yおよび184V変異ウイルスにおいて、AZTおよび3TCに対してそれぞれ100倍以上の耐性を示した。非核酸系逆転写酵素阻害剤耐性の103N、190S変異ウイルスでは、NVPおよびEFVに対してそれぞれ10倍以上の耐性を示す事が確認された。HIV-1感染者血漿由来の薬剤耐性HIV-1のpol領域を用いて行った薬剤感受性検査においても、得られた感染者由来のHIV-1の薬剤耐性度は、Stanford大学のgenotypingシステムから推定された結果との相関が見られた。これらの結果から、HIV-1 vectorを用いた本薬剤感受性検査方法は、BSL-2におけるHIV-1薬剤感受性検査に利用可能であると考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Levels of serum HIV-1 RNA viral load in tuberculosis patients with or without intestinal parasites during treatment of tuberculosis in Gondar, Ethiopia2008
Author(s)
Kassu A, Fujino M, Nishizawa M, Mengistu G, Diro E, Ayele B, Ketema D, Moges F, Mulu F, Yismaw G, Huruy K, Abate E, Getachew A, Tiruneh M, Wondmikum Y, Sugiura W, Ota F
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Journal Title
Ethiop. J. Health Biomed Sci. Sep;1(1)
Pages: 3-10
Peer Reviewed
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[Presentation] HIV薬剤耐性検査標準化のための検討2008
Author(s)
吉田繁, 藤崎誠一郎, 服部純子, 伊部史朗, 藤野真之, 松田昌和, 和山行正, 岡田清美, 藤崎彩恵子, 巽正志, 金田次弘, 杉浦亙
Organizer
第55回日本臨床検査医学会学術集会
Place of Presentation
名古屋
Year and Date
20081127-30
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