2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790407
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
大藤 さとこ Osaka City University, 大学院・医学研究科, 助教 (70433290)
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Keywords | 肝硬変 / 脂肪肝 / 栄養 / 疫学研究 / 横断研究 / 関連因子 |
Research Abstract |
【具体的内容】 通院中の非アルコール性脂肪肝(NAFLD)患者を対象とした前向きコホート研究の登録時情報を用いて、横断的手法により予後(ALT値、肝疾患進展)に関連する要因を検討する。 平成20年度は対象者の登録継続により解析対象者数を確保し、今までに示唆された要因についての確認を行うとともに新たな関連要因の検出を試みた。解析対象は平成17年8月〜平成21年3月の期間に登録されたNAFLD患者165人(男68、女97 ; 平均年齢56.5歳)である。 1. 予後(ALT値)に関連する要因 (1)現在喫煙、(2)歩行時間が長い、(3)納豆やきのこ、100%果物ジュース、玄米・胚芽米・麦・雑穀、の高頻度摂取、(4)C20 : 4(n3)、C22 : 5(n6)脂肪酸、ダイゼイン、ジェニステイン、イソフラボンの高摂取者でDALT値が低い。 (1)現在体重、BMI、腹囲高値、(2)寝る前2時間以内の果物・ごはん・そば・うどんの高頻度摂取者ではALT値が高い。血清学的要因ではCRP、IRI、ヘモグロビン、フェリチンとALT高値との関連。 2. 予後(肝疾患進展)に関連する要因 (1) 体重(現在・肝疾患指摘時)、BMI、腹囲高値、(2) 座って仕事をする、(3)柑橘類やかき・いちご、寝る前2時間以内のアイスクリーム・果物・ごはんの高頻度摂取、(4)レチノール、葉酸、C4 : 0、C6 : 0、C8 : 0、C10 : 0、C12 : 0、C20 : 0脂肪酸の高摂取者で肝疾患が進展。血清学的要因ではCRPと肝疾患進展との関連。 21年度は上記要因について前向きコホート研究による検証を加え、結論を導く。 【意義、重要性等】 NAFLD患者の予後関連要因(歩行時間、肥満、夜食など)の検討により、患者の医療において、運動・食習慣などの生活習慣改善を積極的に推奨する根拠を提供する。また、ヘモグロビン、フェリチンとAL田高値との関連は、潟血治療に対する論拠を支持するものと考えられる。
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