2008 Fiscal Year Annual Research Report
加齢黄斑変性症の分子疫学研究‐酸化ストレスマーカーとの関連を中心に‐
Project/Area Number |
19790409
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
朝倉 敬子 Keio University, 医学部, 助教 (40306709)
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Keywords | 加齢黄斑変性症 / 酸化ストレス / 疫学 / 抗酸化物質 |
Research Abstract |
Population-basedのサンプルにおいて、酸化ストレスマーカーと加齢黄斑変性症との関連を検討することを最終的な目的とした本研究において、以下の点を明らかにした。 ・65歳以上の地域在住高齢者187名(男性73名、女性114名、年齢の中央値76才)について、酸化ストレスマーカーである8-hydroxydeoxyguanosine(8-OHdG)の平均、標準偏差、中央値、範囲(pg/mL)はそれぞれ80,92、56.93、68.33、8.37〜418.41であった。男女別には該当する数字は、男性 ; 82.39、56.16、66.96、8.37〜311.18、女性 : 78。62、58.42、69.65、12.26〜418.41であった。 ・眼底所見上の加齢黄斑変性(6名、early stage含む)とそれ以外の者で8-OHdG値を比較したが、以下の通り差を認めなかった。(中央値および範囲(pg/mL)を示す) 加齢黄斑変性あり : 64.64、36.79〜101.16 加齢黄斑変性なし : 69.07、8.37〜418.41 これは、年齢や性別を調整しても同様であった。 渉猟しうる限り、Population-basedのサンプルにおいて、酸化ストレスマーカーと加齢黄斑変性症との関連を検討した研究は内外になく、新規性の高い研究である。その結果、両者の間に一定の傾向は認められなかった。今回測定した血清酸化ストレスマーカー値は必ずしも局所(網膜、黄斑部)の酸化ストレスの程度を正確に反映しない可能性もあり、さらなる検討が必要である。
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