Research Abstract |
ブラジルに居住する日系人を対象に,面接法により対象者個人の習慣的な食品・栄養素摂取量が把握できるように開発された食物摂取頻度調査票をもとに,ヘテロサイクリックアミン摂取量推定のための質問票の開発し,摂取量推定に必要な加熱食品中のヘテロサイクリックアミン含有量データベースの作成を行っている。 今年度は,食物摂取頻度調査票に掲載されている食品,料理名からヘテロサイクリックアミンが生成される可能性がある項目について,3-4段階の焼き具合(レア,標準,よく焼く,非常によく焼く)とマリネ(加熱調理前に酢,油,にんにく,たまねぎなどに漬けること)ありとなしの場合に分けて調理し,分析用サンプルを収集した。また焼き具合を尋ねる質問には写真を見ながら回答できるように,焼き具合ごとに出来上がりの写真を撮影した。 分析はKataoka H, et. al.(Bull Environ Contam Toxicol.2002;69:682-9)の方法に従い,サンプルをブルーレイヨン吸着法により前処理し,窒素選択検出ガスクロマトグラフィーにより分析した。分析項目はPhIP,IQ,MeIQx,MeIQ,4,8-DiMeIQx,7,8-DiMeIQx,Trp-P-1とし,予備検討の後にサンプル分析を開始した。1調理あたり3サンプル,合計で387サンプルの分析を予定していたが,1サンプルあたりの分析時間が長くかかるため(特にブルーレイヨン吸着法による前処理),実際に平成20年4月の時点で分析が終了したサンプルは全体の約3/4である。引き続き分析を継続し,分析終了後,加熱食品中のヘテロサイクリックアミン含有量データベースを完成させ,1.焼き具合による違い,2.マリネの有無による違い,3.調理方法(特にシュラスコとグリル)による違いを検討する予定である。
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