Research Abstract |
研究の初年度である平成19年度は,国立国際医療センターで実施中の病院コホート研究の参加者の臨床情報・疫学情報の収集とそれらのデータを用いたデータベース作成を実施した。病院コホート研究の登録者数は,平成20年3月31日現在,1593名(男性923名,女性670名:平均年齢66.2±11.7歳)であり,それらの症例の「臨床診断」「投薬内容」「臨床検査データ」「身体計測値」「生活習慣に関する情報」「家族歴」について収集した。収集された症例の特徴として,診療科別内訳をみると,循環器科受診患者が最も多く49.5%,次いで消化器科19.5%,内分泌代謝科7.5%であった。また,投薬内容に関しては,アスピリン(全体の30.9%),スタチン(全体の27.2%)の診療科横断的な処方が確認された。喫煙,飲酒といった嗜好品に関しては,喫煙者は全体の14.1%,飲酒者は46.7%であった。また,日常の身体活動を調査した結果,1週間のうち1時間以上強い身体活動(8mets相当)を行っている者は12.9%,中等度の運動習慣(4mets相当)を行っている者は26.7%であった。データベース作成については,上記の情報を全て電子化し,各項目を時系列に整理して,データベースに格納した。このデータベースでは,各項目別に該当患者の抽出が可能となる検察機能を搭載し,診断名や薬剤名など選択した項目に該当する患者数,男女比,年齢などが閲覧でき,該当患者データのダウンロードが可能である。次年度は,このデータベースの継続的な構築として,追跡調査のための体制整備を行うとともに,薬剤の中でも,特にスタチン,アスピリンと全身的な罹患状況との関連,および飲酒,喫煙と罹患状況との関連についての断面調査を実施する計画である。
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