2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790416
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
眞茅 みゆき Research Institute, International Medical Center of Japan, 医療情報解析研究部ゲノム疫学研究室, 室長 (60415552)
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Keywords | 予防医学 / 臨床疫学研究 |
Research Abstract |
平成20年度は、病院コホート研究で収集されたデータを用い、1)次世代型データベースの構築、および2)メタボリックシンドロームに関する臨床疫学研究を実施した。1)次世代型データベースの構築 次世代型データベースとして、病院コホート研究で収集された、多様な疾患の、詳細な治療歴・検体検査結果等の臨床情報を用い、臨床研究の企画立案のシーズとなる情報を提供するための検索機能やデータ出力機能を備えたシステムの構築を試みた。検索機能では多様な情報で検索することができ、検索結果の表示両面には、病院コホート研究に登録された患者から研究者が指定する条件に適合した患者について、全患者数、性別の患者数が表示される。さらに、検索条件に合致した患者の全てのデータをCSV fileとしてダウンロードし、データの基礎的解析の実施も可能とした。2)メタボリックシンドロームに関する臨床 疫学研究 病院コホート研究に登録した患者のうち、虚血性心疾患を有さず、登録時の身体計測、空腹時採血が実施できた393名を対象に、日本のMSの診断基準を用い、MS群、非MS高リスク群、非MS低リスク群の3群に分け、心血管イベント発生率の比較をおこなった。登録時の年齢、クレアチニン、高感度CRP、喫煙、飲酒、運動習慣には3群間で差を認めず、MS群は他群と比較し、BMI、ウェスト周囲径、トリグリセリド値が有意に高値を示した。しかし、収縮期、拡張期血圧、空腹時血糖、尿酸はMS群と非MS高リスク群の間で同等であり、いずれも非MS低リスク群より高値であった。平均観察期間の388日間における三群間の心血管イベント発生率を比較した結果、MS群(2.7%)と非MS高リスク群(1.9%)間に有意差を認めず(log-rank test p=0.644)、非MS低リスク群ではイベント発生を認めなかった。本解析の結果から、今後、より長期的な観察が必要であるが、肥満を基盤病態としない動脈硬化進展への対策の重要性が示唆された。
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Research Products
(4 results)