2008 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌の血行性転移に対する緑茶カテキンの予防効果と機序解析
Project/Area Number |
19790419
|
Research Institution | Toyama Prefectural Institute. for Pharmaceutical Research. |
Principal Investigator |
小笠原 勝 Toyama Prefectural Institute. for Pharmaceutical Research., バイオテクノロジー・和漢薬研究課, 主任研究員 (30443427)
|
Keywords | エピガロカテキンガレート / 大腸がん / 転移 / アシアロGM1陽性細胞 / 予防 |
Research Abstract |
前年度,EGCGの抑制効果におけるアシアロGM1陽性細胞およびマクロファージの関与について検討したところ,前者においてEGCGの抑制効果が完全に消失したことから,EGCGのがん転移抑制効果にはアシアロGM1陽性細胞が極めて重要であることを報告した.本年度は,さらにT細胞の関与を明らかにするため,ヌードマウスを用いてEGCGのがん転移抑制効果を検討した.その結果,EGCGの抑制効果は部分的に減弱することが認められたが,より関与の大きなエフェクター細胞としては,アシアロGM1陽性細胞の方がより重要であると考えられた.そこで,同細胞の中で大部分を占めるナチュラルキラー(NK)細胞の活性について,NK細胞の感受性のYac-1細胞を用いて細胞傷害活性の評価を行ったところ,若干の活性上昇が認められたが,ポジティブコントロールとして用いたPoly(I:C)の効果に比較すると明らかに弱かった.また,FACSにて,パーフォリンやCD69の発現量を検討したが,EGCG処置マウス由来のNK細胞ではコントロールと同程度の発現量しか認められなかった.一方,Poly(I:C)処置マウス由来のNK細胞では顕著に発現量が増加していた.これらのことから,EGCGのがん転移抑制効果には,NK細胞以外のアシアロGM1陽性細胞が関与している可能性が示唆された.そこで,マウスに抗アシアロGM1抗体を投与した際に減少する細胞集団について検討したところ,CD11c陽性細胞集団が若干減少する結果を得た.また,マウスにEGCGを投与することにより,同細胞集団が増加することも観察した.これらの結果から,アシアロGM1とCD11c両陽性の細胞集団が,EGCGのがん転移抑制効果に関与している可能性が示唆された.今後,同細胞集団の機能的関与を解明する必要があると思われる.
|
Research Products
(1 results)