2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790422
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉岡 英治 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 助手 (70435957)
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Keywords | 職域保健 / 社会疫学 / 社会経済因子 / 事業所規模 / 要求度-裁量度モデル / 努力-報酬不均衡モデル / 性差 / 不眠 |
Research Abstract |
1. 事業所の規模や労働環境が労働者の身体的および精神的健康に及ぼす影響を明らかにすることを目的として前向きコホート調査を実施している。北海道内の約8000名の労働者を対象に、健康診断結果、喫煙や飲酒などの生活習慣、労働時間や職業性ストレスなどの労働環境、不眠、抑うつ症状を調査した。職業性ストレスは、国際的に使用されている代表的な2つのモデルである要求度-裁量度モデル、努力-報酬不均衡モデルを採用した。 2. 事務職員においては、VDT作業時間が6時間以上の事務職員は2時間未満のものに比べて、有意に不眠のリスクが高くなることを明らかにした。 3. 職位および教育歴という2つの社会経済因子が職業性ストレスに及ぼす影響を明らかにした。職位に関しては、2つのストレスモデルにおいて職位が低くなると、高ストレスのリスクが有意に高くなった。しかしながら、教育歴においては、要求度-裁量度モデルでは教育歴が低くなると高ストレスのリスクが有意に高くなったが、努力-報酬不均衡モデルでは教育歴が高くなると高ストレスのリスクが有意に高くなった。 4. 職位が低くなると、不眠のリスクが有意に高くなった。この傾向は、婚姻や家事時間、育児、介護などの家庭要因や職業ストレスや労働時間などの職業性要因などの交絡要因を考慮した場合も変化はなかった。これは、職位の違いが不眠に及ぼす影響は、様々な家庭要因や労働要因とは独立していることを示唆している。 5. 不眠の性差に関しては、これまでの報告同様、女性が男性よりも有病率が高かった。しかしながらこの性差は、婚姻や家事時間、育児、介護などの家庭要因や職業ストレスや労働時間などの職業性要因などの交絡要因を考慮した場合は消失した。これは、不眠有病率の性差は、家庭要因や労働要因などにより説明が可能であることを示唆している。
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Research Products
(4 results)