2008 Fiscal Year Annual Research Report
職業性心理的ストレスの過去・慢性曝露と不眠の関連を明らかにする疫学研究
Project/Area Number |
19790427
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
太田 充彦 Fujita Health University, 医学部, 講師 (80346709)
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Keywords | 不眠 / 職業性心理的ストレス / コホート研究 / アクティウォッチ / スクリーニング |
Research Abstract |
(1) 職業性心理的ストレスと不眠の維持・新規発症 : コホート研究 : 中高年労働者1,022人を2年間観察したコホート研究で、Karasekの要求度-コントロールモデルとSiegristの努力-報酬不均衡モデルを用いて評価した職業性心理的ストレスと不眠の関連を調べた。不眠は過去1ヶ月間に入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠感の欠如の1つ以上を週に3晩以上自覚することとした。ベースライン時に不眠のあった292人ではベースライン時のeffort-reward imbalance(有病率73%対55%、性・年齢等調整済みオッズ比(95%信頼区間) : 2.40(1.18, 5.10))とlow social support(61%対50%、2.00(1.18, 3.40))が、ベースライン時に不眠のなかった730人ではベースライン時のovercommitment to work(25%対15%、1.75(1.16, 2.66))とhigh job strain(16%対22%、1.72(1.06, 2.79))が2年後の不眠と関連した。不眠の維持・新規発症に関連する職業性心理的ストレスに違いがあることが示された。 (2) 不眠のスクリーニングとしての自己評価の信頼性・妥当性 : (1)で利用した不眠の自己評価の信頼性と妥当性を33人の労働者を対象に検討した。1ヶ月の間隔で行なった2回の自己評価の一致度は中程度(カッパ係数0.463)で一定の信頼性を認めた。妥当性は、アクティウォッチで評価した客観的不眠所見(連続した3晩のうち1晩以上で30分以上の入眠潜時、10分以上・2回以上の中途覚醒、90分以上の離床潜時、80%未満の睡眠効率のいずれかを認める)をスタンダードにした自己評価の感度、特異度、正確度を調べた。それぞれ0.33、0.83、0.70で、自己評価は感度が低い可能性が示された。
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