2008 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルス感染者における各種予後の予測因子に関する疫学研究
Project/Area Number |
19790429
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
福島 若葉 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 助教 (70420734)
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Keywords | 成人保健 / 肝臓病学 / C型肝炎 |
Research Abstract |
1. 横断研究デザインによる、C型肝炎ウイルス(HCV)関連肝硬変の関連要因の検討 大阪市立大学医学部附属病院肝胆膵内科外来で登録したHCV-RNA陽性者のうち、468人を解析対象として検討した。生活習慣に関する情報は自記式質問票により収集した。特に食習慣については、佐々木らの「簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)」を使用し、栄養素の摂取量を推定した。臨床情報は診療録から転記するとともに、登録時に採取した保存用血清により血清鉄およびフェリチンを測定した。各要因は対象者全員の3分位でカテゴリー化して検討した。半定量的腹部超音波スコアにより診断した「肝硬変あり」を結果指標とし、ロジスティック回帰モデルにより各要因のオッズ比(OR)を算出した。 1) 鉄摂取量・鉄動態 : BDHQにより算出した推定鉄摂取量について、密度法により摂取エネルギーを補正して検討した。摂取量が最も低いカテゴリーを基準とすると、最も高いカテゴリーのORは1.59と上昇したが、統計学的有意には至らなかった。保存血清で測定した血清鉄についてみると、96μg/dL未満を基準とした場合、133μg/dL以上のORは1.77と上昇したが、統計学的に有意ではなかった。フェリチンについては関連を認めなかった。 2) 夜食摂取 : 対象者の54%が毎日1回夜食を摂取しており、その割合は肝硬変の有無別にみても差がなかった。多変量解析の後も、夜食摂取頻度と肝硬変の存在に関連を認めなかった。 2. コホート研究デザインによる検討のための追跡調査実施 ベースライン調査に参加した495人を対象に、約2年後の追跡調査を行った。診療録から過去2年間の臨床経過を転記し、肝細胞がんなどの発生状況を把握した。また、自記式質問票を郵送することにより生活習慣に関する情報を収集し、過去2年間の変化を捉えた。これらの情報については、今後、詳細解析を行う予定である。
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[Journal Article] Does a late evening meal reduce the risk of hepatocellular carcinoma among patients with chronic hepatitis C2008
Author(s)
Ohfuji S, Fukushima W, Tanaka T, Habu D, Takeda T, Tamori A, Sakaguchi H, Seki S, Kawada N, Nishiguchi S, Shiomi S, Hirota Y
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Journal Title
Hepatol Res 38
Pages: 860-868
Peer Reviewed