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2010 Fiscal Year Annual Research Report

小児呼吸器感染症に伴う中耳炎の原因微生物の同定に関する研究

Research Project

Project/Area Number 19790442
Research InstitutionOsaka Prefectural Institute of Public Health

Principal Investigator

倉田 貴子  大阪府立公衆衛生研究所, 感染症部, 研究員 (70435890)

Keywords健康管理 / 感染症 / ウイルス
Research Abstract

乳幼児の上気道感染症は小児科医療の現場でもっとも発生頻度が高い疾患である。上気道症状が現れた後、平均3-4日で急性中耳炎を発症することが多い。平成22年度は、前年度までに作成した中耳炎の原因として疑われるウイルスを対象とした3つのMultiplex nested PCR法および2つのConventional nested PCR法を用いて、臨床検体のスクリーニングを行った。
当初の目的では呼吸器症状を呈した後に中耳炎となった小児の咽頭ぬぐい液を臨床検体として使用する予定であったが、実際に十分な検体数を確保する事が困難であったため、中耳炎の原因ウイルスとして報告数の多いRSウイルス感染が疑われた2歳未満の小児の鼻腔吸引液117検体を用いた。
スクリーニングの結果、2005年~2009年までに採取された鼻腔吸引液117検体のうち107検体(91.45%)から1種類以上のウイルスが、そのうち57検体(48.7%)で2種類以上のウイルスが検出された。ウイルスの内訳は61検体(52.13%)でRS、46検体(39.3%)でライノおよびエンテロ、44検体でアデノ(37.6%)、21検体でボカ(19.7%)、9検体(7.7%)でパラインフルエンザ、2検体(1.7%)でヒトメタニューモ、1検体(1.7%)でコロナウイルスであった。複数のウイルスが検出された57検体のうち、38検体(66.6%)で2種類、16検体(28.27%)で3種類、3検体(5.2%)で4種類のウイルスが検出された。それらは主にRNAウイルスとDNAウイルスのセットで検出されることが多く、最も多く見られたパターンはRSとアデノの混合感染(21%)であった。
今回の研究では急性中耳炎の直接の原因となるウイルスの検出ができなかったが、RSウイルス感染が考えられた小児においてRSウイルス以外の病因を含む多様なウイルスの混合感染状況を明らかできた。中耳炎患者検体においても同様な混合感染が予想されるため、直接病因となるウイルスの絞り込みには、さらにコピー数の決定や臨床症状の変化に即した継続的なサンプリング等が必要となる可能性が示唆された。

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Published: 2012-07-19  

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