2008 Fiscal Year Annual Research Report
カテコールアミン心筋障害におけるコネキシン43の関与
Project/Area Number |
19790443
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新谷 香 (石田 香) The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 助教 (50345047)
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Keywords | コネキシン43 / 心筋障害 / 収縮帯壊死 |
Research Abstract |
心交感神経活性の亢進は、心筋収縮不全や心筋傷害といったカテコールアミン心筋障害を引き起こす。本研究では、カテコールアミンの過剰分泌や虚血によって引き起こされると考えられている収縮帯壊死がギャップ結合を介して伝播する機序を解明した。 1. ギャップ結合を介した収縮帯壊死の伝播の機序について ラットの冠状動脈結紮モデルにおいて、虚血30分でギャップ結合を構成するコネキシン43が介在板で増加し、ギャップ結合を介した細胞間情報伝達が亢進する結果、虚血再灌流後の収縮帯壊死が虚血領域に伝播していくことを明らかにした。 2. 虚血によるギャップ結合でのコネキシン43の増加の機序について 虚血30分後の心筋ホモジネートの細胞分画を行い、コネキシン43の分布を調べた結果、リン酸化されたコネキシン43が細胞膜に移行していることが明らかになった。このとき、ミトコンドリア内のコネキシン43量が低下していることから、ミトコンドリアのコネキシン43が細胞膜に移行しているのではないかと考え、さらに研究を進めている。 3. ギャップ結合を介した再灌流時心筋傷害の機序について 虚血30分後再灌流を行うと、カルシウム依存的プロテアーゼで細胞骨格の破綻をもたらすカルパインが心筋で活性化していた。再灌流前に、ギャップ結合の阻害剤を投与して細胞間情報伝達を抑制すると、このカルパインの活性化が阻害されたことから、ギャップ結合がカルパインを介した再灌流時心筋傷害に関与することが明らかになった。
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